中国が「ロシアの裏庭」とされてきた中央アジアへの関わりを深めている。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は2~6日の中央アジア訪問でも、上海協力機構(SCO)首脳会議などの場で中央アジアとの関係深化をアピール。背景には、ウクライナ侵攻で疲弊(ひへい)するロシアとの力関係の変化がある。
「我々は手を携えて外からの干渉に抵抗し、自国の運命や地域の平和的発展を自らの手中に握りしめなければならない」
カザフスタンで4日に開かれた首脳会議で、習氏はこう強調した。
中国にとって、SCOは最も重要な米欧との対抗軸の一つだ。グローバルサウスとよばれる新興・途上国の取り込みを図り、西側主導ではない国際秩序の形成を目指す。
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もともとSCOは「対テロ」など安全保障上の協力を目的に中ロと中央アジア諸国の計6カ国で2001年に発足。今回の会議でベラルーシの加盟が認められて10カ国となり、地政学的な緊張の高まりなどを背景に「地域の安全保障上のバリアー」(習氏)としての重みは増している。
一方で、中国にとっては経済的な影響力を高める枠組みとしての意義も大きくなっている。
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今回の会議があったカザフは…